2017年1月12日木曜日

こひつじ文庫

練馬区石神井台にある個人の子ども文庫「こひつじ文庫」さんhttp://www.kohitsuji.sakura.ne.jp/ 
におじゃましてきました。すごくたくさんある本にびっくり。

西裕子さんという方が、最初お手持ちの2500冊の本を元にご自宅の一室を開放なさって、お仲間と共に、2003年に始められたものだそうです。とにかく最初に2500冊をお持ちだったということが、もう驚異的。今は、その後いろいろな助成なども受けられて、もっともっと増えていらして、室内はこんな感じ。






まだまだ収まらず、季節の行事などに合わせて、入れ替えておられるそうです。絵本はひょっとしたら図書館より多いかも。それよりなにより図書館などでは、良書であっても閲覧数の少ない古い本は、書庫請求しないと出てこないことが多く、たとえば文庫が出たらハードカバーは書庫に入ってしまうということがありますが、ここではそんなことはなくて元々の本がちゃんとあり、子どもさんがたは、実物を見て手に取って確かめ、「これ借りる~」と持って行かれます。

水曜日に開室されるのですが、その際には、元は小学校の先生でいらした西さんによる、絶妙なおはなし会が、小さい子向け、小学校向けと2回あります。写真上の奥にある赤い箱は、ろうそく。ろうそくのついている間は、すわっておとなしくしていなければなりません。おにいちゃんおねえちゃんにつきあって来たあかちゃんも、おとなしくしています。

とってもアットホームな感じです。幼稚園のお子さんも、お友だちが読んだ本を、次は私と借りてゆかれます。おかあさん方も、自転車に二人のお子さんを乗せた上に、十冊ぐらいの本を積んで帰られるのは大変でしょうけれど、がんばって来られています。すごいなと思いました。

東京都練馬区の石神井公園の近くです。お近くの方はぜひぜひ。


2016年12月20日火曜日

「小説 小学生のヒミツ 片思い」本日発売です

私がノベライズしました『小説 小学生のヒミツ 片思い』(講談社KK文庫)が、本日発売です。小説としては5巻目にあたる今回は、サッカー少年にサッカー少女が恋をするお話です。それも相当なサッカー少年で、無理な恋愛に、今回もキュンキュンです。どうぞよろしくお願いします。




2016年12月19日月曜日

「フラフラデイズ」が佐賀県新春読書感想文の課題図書に

拙作「フラフラデイズ」(文研出版)が、第52回佐賀県新春読書感想文の課題図書になっていました。

昨年の本ですが、光を当てていただいてうれしいです。

フラフラデイズは、主人公の小学五年生の男の子が、フラダンスに夢中のおばあちゃんに連れてゆかれたハワイで、迷子になる話ですが、ハワイの歴史、移民と異文化ということなどにも触れています。おもしろくてやがて……ということを目指した私にとっても、好きなお話です。

九州からはたくさんの方がハワイに行っていました。うちのね、ひいおじいさんのおじさんがね、なんてお話が、読まれた子どもさんのご家庭でされれば、さらにうれしいかなと思います。

http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00351491/3_51491_25000_up_8eua0e5e.pdf


2016年12月10日土曜日

「こぶたのタミー 学校へいく」かわのむつみ

書名:こぶたのタミー 学校へいく
著者名:かわのむつみ
出版社:国土社
好きな場所:みどり先生は、ぶた語がわからないみたい……。どうして、わかるなんていったのかなぁ?
所在ページ:p60
ひとこと:
人間の言葉のわかるこぶたのタミーは、二年生のマキちゃんに学校のことを教えてもらって、学校に行きたくなりました。
 学校に行くと、校長先生がぶた語のわかる人だったのです。えい語よりかんたんだと、校長先生は言いました。で、担任のみどり先生は、えい語が得意で、耳がいいのが自慢だったので、校長先生のまねをして、ぶた語がわかるふりをしてしまったのですが……。

 『こぶたのタミー』の続編です。絵も同じ画家さん、下間文恵さんです。
 校長先生、みどり先生、ほけんしつの先生、きゅうしょくの先生など、いろいろな先生が出てきます。でもいちばんタミーが気に入ったのは……。さあ、だれでしょう。

2016年12月5日月曜日

「虐殺器官」伊藤計劃

書名:虐殺器官
著者名:伊藤計劃
出版社:早川書房
好きな場所:戦争という巨大な「流通」において、「戦闘という仕事」そのものは、必要不可欠ではあるが膨大な業務の中のごく小さい一部にすぎない。武器がなければ戦うこともできないし、食料がなければ戦い「続ける」ことはできない。情報がなければ戦闘そのものが始められない。そういうわけで、民間軍事企業が相互に依存する細かい業種ごとに別れ、ごくごくつまらない経済流通の一部に完全に組み込まれてしまった時点で、民間の軍事力がG9の政府を武力で脅かすような未来像は説得力を失ってしまった。
所在ページ:p284
ひとこと:いやあ、おもしろかった。このブログにはあまり自分の趣味で読んだ本は書かないのですが、でもこれはおもしろかった。
 いろいろな評を読んでみると、最初小松左京さんは「文章力や「虐殺の言語」のアイデアは良かった。ただ肝心の「虐殺の言語」とは何なのかについてもっと触れて欲しかったし、虐殺行為を引き起こしている男の動機や主人公のラストの行動などにおいて説得力、テーマ性に欠けていた。」と選評されたそうですが、たしかにそういう面もあります(だいたい選者って、言いたいこと言いますし 笑)。それから、一般の感想なんかにも「ラノベじゃん」というのもある。
 だけどと思います。この引用のようにロジスティックスのことを分析して書いた戦争というのを、ラノベが書き切れるかというと無理。ラノベは嫌いじゃないけどね。どういう契機で戦争が起こり、どのようにして継続されるのか。それを描かないでただのバトルを描いた作品が、たくさんありすぎ(少なくとも合評なんかではね)る中でこの引用は画期的。
 ほんとよく書けてる。たしかに欠点を突くことはできるけれど、いざ書こうと思ってみるとなかなかできるもんじゃないって、知ってる。こんな本があるのだったら、もう自分が書くのなんていやになっちゃう。と思いながら自分の書いた原稿をなめるように読み返す(そういうことをするときは、なにか自分のいいところを見つけたいときです)わけです。
 でも、と思います。近未来のディストピア、という点では、私はカズオ・イシグロのほうが好きだな。なぜかといえば、基本に楽観性があるから。ディストピアを描きながら、そんなわけないでしょ、ね、っていう。私もどっちかといえば、そういう本を書きたいと思います。