2014年12月15日月曜日

「グッバイ山でこんにちは」間部香代

書名: グッバイ山でこんにちは
著者名: 間部香代
出版社: 文研出版
好きな場所: ピエール、君はドーナツの穴をなんだと思っているんだ。ドーナツの穴のことをそんないいかげんに考えているということは、ドーナツそのものについても、いいかげんな気持ちしかないということだ。
所在ページ:p93
 ひとこと:児童文学作家でマッシュノートという雑貨ショップのオーナーでもある、間部香代さんのはじめての長編です。おしゃれなマッシュノートのセレクトと同じように、とってもおしゃれなナンセンス小説です。
 といってもちゃんと友情や人生について考えさせられるところが、やっぱり児童文学といえます。

 ピスタチオタウンに住んでいるサルのピエールは、グッバイ山のむこうに何があるのだろうと思い、山の向こうを見るために、ひとりでトンネルを掘りはじめます。
 そんなピエールのところに町のみんながやってきます。
 引用は、イタチのチタローが来たところで、チタローはピエールの何の気なしにいったひとことに怒ってというか、悲しんでこう言い、帰っていってしまいます。
 ありそうなくいちがいで、だれにも覚えがあることです。ピエールも、心を痛めています。
 そしてトンネルがもうすぐ貫通するかもしれないあるとき……。

 そんなお話が、深刻ではなく、なにか余裕のあるふんいきの中で進んでゆき、トンネルが貫通したとき、ピエールは意外な行動に出ます。ピエールがどんな気持ちになったかは、読んでのお楽しみです。