書名: なかよしおまもり、きいた?
著者名: 松井ラフ
出版社: PHP研究所
好きな場所: 「おあいこじゃない。おあいこなんかじゃあ、ないよ……」
所在ページ: p71
ひとこと:河童の会でごいっしょの仲間、松井ラフさんの二作目のご本です。
みくは一年生です。
きれいなかれんちゃんが好きで、いちばんのなかよしになりたいのです。でもかれんちゃんには、まゆちゃんというなかよしがいて、赤ちゃんのときからいっしょなのです。みくは、まゆちゃんのどこがいいのかわかりません。かれんちゃんはわたしといたほうが楽しいはずと思います。
かれんちゃんがみくとまゆちゃんになかよしのおまもりと言って石をくれます。
おそろいのような石ですが、微妙にちがいます。アクシデントでみくの石はなくなって、まゆちゃんのがみくの手元に。みくはまゆちゃんのとわかっているのですが、返したくありません。でもまゆちゃんは……。
物語は「葛藤」を書けと言われますが、小さいときに大きな葛藤だったものは、覚えているものもありますが、忘れてしまったものもあります。
これは、大人になってみれば忘れてしまったような客観的には小さな葛藤です。でも当時はものすごく大きなものだった。そんな葛藤をていねいに描いた作品です。
きっときっと、今現役の一年生には大きく共感してもらえるのではないでしょうか。
松井さんの一作目のご本『白い自転車、おいかけて』もそんなご本でした。とっても評判がよく、韓国でも出版されたと伺っています。
白い自転車で絵をお描きになった狩野富貴子先生が、今度もすてきなかわいい絵をお描きになっています。