2017年7月27日木曜日

「あぐり☆サイエンスクラブ 夏」堀米薫

書名:あぐり☆サイエンスクラブ 夏
著者名:堀米薫
出版社:新日本出版社
好きな場所:そうそう、人間も同じかもね。がっちりとした根っこを張れるように、良い穂が実るように、あなたたちにも、もっともっと厳しい環境を用意してあげなくちゃ!
所在ページ:p60
ひとこと:夏の田んぼって何をしているんでしょうか。手入れをしてるだろうとは思うのですが、何をしているかよくわからないというのが農家ではない者の実情ではないでしょうか。
 前作『あぐり☆サイエンスクラブ 春』では、サイエンスを学ぶために入ったクラブで、田植えをさせられた五年生の学、雄成、奈々の三人が、夏合宿をして夏の田んぼの手入れに挑戦です。
 私がびっくりしたのは、稲が育ちすぎると穂が出ないからと、一度田んぼの水を落とすことで、引用のようにその目的は厳しい環境を与えて、根っこをがっちり張らせることです。そのためにも、水はけが大事で、田んぼには水はけ用のパイプが張られているとか。無農薬でないお米も、減農薬で作られているとか、知らないことばかりです。
 農業はサイエンス、と言い切ったあぐり先生(そして作者)の解説が、田んぼと稲作への理解を何倍にもブーストしてくれます。稲の花のことは理科で、稲作については社会で習った覚えがありますが、決してばらばらではない一つのこと。頭の中でイメージを統合するためにもとってもいい本だと思いました。
「気持ちいいぞ! 青田風 でも、お米を採るって、こんなに大変なことなの?」という帯が夏の田んぼをくまなく表しています。

 表紙から青田風が吹いてきますね。
 きっと秋編もあるのでしょう。楽しみです。