2017年12月3日日曜日

「四重奏デイズ」横田明子

書名:四重奏デイズ
著者名:横田明子
出版社:岩崎書店
好きな場所:胸を張って、『これが自分の世界です』って言えるようなピアノを目指したい。
所在ページ:p163
ひとこと:『ば・い・お・り・ん』(BL出版)がデビュー作の横田さんが、満を持して、ふたたび、音楽の物語を書かれました。


 四人の六年生が織りなす物語です。主人公のタカはピアノを習っているけれど最近はマンネリで練習もせず、母さんはピアノをいとこにゆずると言い出します。彩音はピアノ教師の母に音大付属を受けろと言われていますが、乗り気になれません。光平は陸上一筋で、自分を好きな彩音がかまってくるのがうざくてたまりません。マイはドイツからの帰国子女でピアノコンクールに勝ち進み、東京大会に出るところですが……なぞのおじいさんが現れて……。

 受験をすればもちろんのこと、六年生というのは、どういう道を進むのかというまではまだ決めていないにしても、親のいうとおりでなく、何らかのことを決める時期かなあと思います。それが、職業を決めるというようなことではなく、習い事を続けるか続けないかであっても、ピアノにするか歌にするかということであっても、だれが好きかということであっても。
 それは引用のように、自分の世界を自覚する、ということでもあるかなと思います。
 この四人の六年生に幸せがありますように!